作成日 2000年8月26日
不妊の現状
『結婚したら望むときに子供をつくり、幸せな家庭を築きたい』と思っている人は多いでしょう。そしてそれは簡単にかなう物と考えられています。しかしながら、実際にはなかなか望みがかなわないカップルが1割を占めます。
では、普通は結婚してから赤ちゃんが出来るまでにどのくらい時間がかかるのでしょうか?避妊をしない場合、20代前半では、平均4〜5ヶ月くらいで妊娠します。妊娠する確立は年齢とともに低下し、30代の半ばでは平均10ヶ月くらいかかります。妊娠しないカップルの割合も妻の年齢とともに増加し、20代前半では3%なのに対して、30代後半では35%に増加します。つまり、現代社会における晩婚化は、潜在的に赴任カップルの増加の原因になっているのです。
不妊治療
不妊になる原因は、
1、排卵を起すホルモンが正常に分泌されないために卵子が排卵されない
2、年齢などの影響で卵子の質が低下する
3、炎症やクラミジア感染により卵管がつまっている、あるいは狭くなっている
4、精子が不良で受精できない
5、けい菅粘液が少ないために精子が子宮内に入れない
6、子宮筋腫、腺筋症等があるために受精卵(胚)が着床できない
7、子宮内膜症により不妊症になる
8、抗精子抗体という免疫異常があるため精子が体内で動かなくなってしまう
などがあります。まず一通りの不妊治療を行って、原因を調べます。最初に行う検査は血液検査、超音波検査、子宮卵管造影などで、3〜4回の通院が必要になります。
治療法は原因により様々ですが、不妊治療には他の治療と異なる特徴があります。第一に、1回あたりの成功率が低い事です。体外受精など、一部の特殊な治療を除けば、妊娠率は1回あたり一割程度です。したがって、治療を根気よく続ける必要があります。第二に、妊娠しない原因が不明の場合が多いことです。検査を行っても、3分の1のカップルでは不妊の原因が明らかになりません。例えば卵管が卵子を正しく子宮に運んでいるか、受精がきちんと行われているかなど、現在の不妊検査では正確に診断できない事が多くあります。第三に、年齢という壁があることです。卵子も年齢とともに老化し、30代後半から40代になると、染色体や細胞の質に以上を持つ卵子が増え、妊娠率も低下します。このような理由から治療を始めても妊娠にいたる人は、約3分の2にとどまります。
人工授精と体外受精
人工授精という言葉は、よく耳にする言葉だと思います。これは、夫の精子を子宮に注入する物で、精子が不良の場合やけい管粘液が出にくい場合、あるいは性行為がうまく出来ないような場合に用いられます。これに対して、体外受精は卵管が詰まっていたり、精子が著しく不良な場合、あるいは他の治療法を用いていても、なかなか妊娠できない場合に用います。体外受精は、卵子を採取して精子をふりかけ、受精卵(胚)になるまで体外で培養し、数日後に子宮内に戻す治療法で、より高度な治療といえ、妊娠率も1回あたり30〜35%と、他の治療に比べ高くなります。人工授精も体外受精も、日本では健康保険を適用されず、一回当たりの治療費は、人工授精で1〜2万円、体外受精では30〜40万円になります。