「―――え?!」
「何を驚いている?」
「…また…しばらく会えなくなりますね」
「別に平気だろ」
「…いいえ」
「……」
■□■ビタースイート■□■
ブラックは、鼻で笑うように 溜め息を吐いた。
ミカンの目を、見ないようにした。
―――ゴールドに完売してから一週間。
悔しくて 苛ついて。
ブラックは 強さを手にする為、修行に出る事にしたのだ。
…その事を、出発する前日の今日まで言い出せなくて。
今 ミカンの顔を見たら泣くのを我慢しているか、
怒っているかのどちらかだと思ったので、敢えて見ないようにする。
「……ブラックの事が心配で……」
口を開いたミカンの声が優しくて でも 消え入りそうで。
何を言ってもブラックは行ってしまうという事を判っているようで。
【心配される】という事に慣れていないブラックは、
ついついミカンに冷たく当たってしまう事もしばしばあって。
「俺は一人でも平気だ。…今までもそうだったしな。
――お前だって平気なはずだろ? 俺なんていなくても」
ミカンの手が、ブラックの手をきゅっとにぎって。
「…嘘ばっかり…」
ブラックは その手を振り払おうとした。
ミカンは慌てて、ブラックの腕にきゅっと抱きつく。
「――は?嘘?」
「…”一人でも平気”?…なら…何故貴方は此処に来てくれるの?」
ミカンは、ブラックの目を見て尋ねる。
ブラックは、頬が熱くなるのを感じずにはいられなかった。
ブラックが黙っていると、ミカンの目に少しずつ涙が溜まって。
「…私は…何を言っても貴方が行ってしまうという事を知っている…。
――けど…!」
「…けど?」
「私はブラックがいなかったら【平気】じゃないから…」
「……」
「………ブラックが…【必要】なの……」
言い終えると同時に、ミカンの頬を涙が伝った。
「俺が必要?…馬鹿げてる」
ブラックは、腕を抱く手に力が入ったのに気付く。
「私は…私は…、貴方に必要とされたいんです」
「……」
――――― 独りが平気なら、態々灯台に来たりなんかしないだろう。
今まで独りでいる事に慣れていたつもりだった。
…でも違った。
独りでいる事に 慣れようとしていただけだったのか。
何故今まで気付かなかった?
気付けなかった?
…気付くのが怖かった?
誰からも必要とされない自分の存在に気付きたくなかったから?
「…今なら お前の顔をまともに見れる」
そう言って ミカンのその茶色く揺蕩う長い髪に触れる。
ミカンは、涙をこらえようとするが
涙は止まらない。
それでも、やはり消え入りそうな声で言った。
「……私を頼って……」
ブラックは、空いた左腕をミカンの腰にまわして 無言のまま引き寄せる。
「”愛して下さい”なんて 贅沢な事は言いません…
ただ… 貴方に必要とされたくて 頼られたくて」
その 涙乍らの訴えの
最後の言葉は。
「……貴方が必要なんです……」
ただただ 無言のまま
ブラックはミカンにキスをした。
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…へちょいっす。
すみませんね…(遠い目)
自分のサイトの小説+詩+漫画投稿BBSに自分で投稿したものです(痛)
犬丸の中のブラックは 素直じゃないけどミカンちゃんに弱いんです(死)
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