”いつだって 周りの奴らばっか成功してんだ
いつだって 周りの奴らばっか上手くやってんだ
きっとそうなんだ
いつだっけ? 僕等が理由ばっか集めだしたのは
いつだって 僕等は周りばっか目に入りすぎたんだ”
----------Re-Start----------
「うわ〜…寒ぃ…;」
「ちょっと沢松!どっち行ってるんですの!!?(怒)そっちは溝ですわよ」
「そ、そんなコト言われたって、地面が真っ白でわかんないっスよ!」
「こっち!!ですわ(呆)」
腕をぐいっと引かれ、沢松はボスッと 白く積もった雪に顔面を突っ込んでコケた。
「な、何するんスか梅さん!!!」
顔面真っ赤になった沢松は、ガチガチに震えながら言った。
塁は、澄ました顔で返す。
「溝に落ちるのを防いだんですのよv」
「あ〜!!くそ!服ん中に雪入っちまったぜ!つべて…っ」
「いつまでも五月蝿いですわよっ(怒)」
ばこっ★
「痛っっっ!!」
―――――雪が積もった日曜日。
でも、「当然」とでも言うように部活はある。
今日は野球部のこの1年間をまとめた【十二支タイムズ 〜熱烈球児〜】(報道部で今ん所人気TOPの新聞。)
の原稿を書かねばならない。
「梅さーん…何でこんな日に部活あるんスかー??」
「誰かさんの原稿がボツ連発でしたからねぇ(笑)」
「…」
沢松が【俺のせいかよ?!!】と項垂れて歩いていると、塁は言った。
「沢松、こっちの方が歩き概がありますわよ」
「へ?」
塁は、沢松の歩く 人の足跡が幾つも重なって灰色になっている道を見て言った。
塁は悠々と白銀の、全く足跡の無い道をわざわざ選んで歩いて行く。
「はぁ?歩き概…?何言ってんスか梅さん」
「白い道に初めに足跡を残すのはこの私ですわvv(悦)」
「うわ、女王降臨!!!」
「沢松も、そんな…足跡だらけの道を歩くよりはコチラの方が楽しいですわよ(勧誘☆)」
「…」
沢松がまだ灰色の道を歩いているので、塁はまたもや沢松の腕をぐいっと引っ張った。
今回は、転ばなかった。
沢松と塁の前には、誰の足跡も無かった。
後ろを振り返れば、勿論自分達の足跡があるけれど、何故だかこれが気持ちいいのだ。
前方に見えてきた自動販売機。
「あっ☆ 自動販売機ですわ(発見)沢松、何か欲しいものでもあります?私は勿論ホットココアですわ(悦)」
そう言って塁が財布を取り出すので、沢松は焦った。
「えっ?梅さん奢ってくれるんスか?!」
「いつもの私は、そんなケチに見えて??(疑)沢松」
「あっ、いや…」
「で、何も飲みませんの?」
「んじゃ俺はコーヒー(無糖)で…」
自動販売機の前に着き、塁はココアとコーヒーを買った。
「ありがとっす」
「ちょっと休憩、ですわ(休)」
「うぃっす」
二人で、自動販売機にもたれて休憩をする。
沢松は、今まで歩いてきた道を何気なく見ながら、その温かいコーヒーの味を堪能していた。
いつも自分が買う側だったので、ささやかな事でも嬉しかった。
白い息を吐きながら、塁が言った。
「沢松、最近余裕無いんじゃないですの?(疑)」
今までの話題の流れでは有り得ない突然すぎる話題に、沢松はコーヒーを噴出しそうになった。
「はっ、えっ?!よ、余裕?」
「何か焦ってる事でもあるんじゃないですの?」
ココアの温かさで、塁の頬がピンク色になっている。
「俺、そんな風に見えてるんスか…」
「ボツ連発したりね(笑)」
「今更またそこに戻るんスか!!!」
「まぁそれは置いておきましょ(置)」
「置いとくんだ…;」
「何か最近、親友の成長っぷりに焦ってませんこと?(刺)」
「…天国の?」
「はい」
「…」
「確かに彼の、この1年間の成長振りは目を見張るものがあります…でも…」
「…?」
「沢松、あなた自身の成長振りには気づいてますの?(訊)」
「え?」
「多分周りしか見えてないんでしょうね(断言)」
「いや、まあ俺自身…この一年の俺の成長振りなんてわかんないッスけど、何で急にそんな事言うんスか?梅さん」
沢松がそう言うと、塁は自動販売機にもたれたまましゃがんだ。
両手で缶を持って、ココアを少しだけ飲んだ。
「さっき、沢松がわざわざ人の足跡だらけの道の上を歩いたからですわ…」
「えっ、それで?!」
「…【俺が道を創って行くぜ!!】くらいの余裕があったら、わざわざそんな事はしませんもの(苦笑)」
「……そっすか…。」
沢松は溜め息をついた。
それからコーヒーを全部飲んで、空き缶入れに入れた。
【カラン】と、寂しい音が聴こえた。
塁は、缶を両手で持ったまま 目を閉じて言った。
「白銀の何も無い道に、自分の足跡が一番最初に残るんですのよ…。
それって、とっても気持ち良い事じゃなくて?(尋)
たとえ、また後で誰かが自分の足跡の上を歩いても、それはそれで良いんです。
…それくらいの余裕は持っておかないといけませんのよ(教)」
それから、目を開けて しゃがんだまま沢松を見上げて訊いた。
「さっき、気持ち良いって思いませんでした?(訊)」
沢松はどきっとした。
この人くらい余裕がある人物に、自分もなれたらいいのに…なんて、ぼんやりと考えてしまった。
この人から見た俺は、とんでもなく余裕の無い男なんだろうな…なんて考えも、ちらっと浮かんだ。
でも、こう答えてみたりする。
「はい。思ったっすよ」
すると塁は、ふふっと笑って すっかり空になったココアの缶を捨てた。
それから立ち上がり、沢松の肩をバシッと叩いた。
「痛っっ!?いっつもイキナリだな」
「休憩は終わり。行きますわよ!(押)」
沢松は、携帯の時計を見た。
それから固まった。
「う、梅さん?!これって遅刻じゃないんスか…?」
【ヤバイんじゃねぇの?】といった感じで塁の顔を見た沢松だったが、
「あら、そうですわね(微笑)」
なんて言って また余裕をぶっこいている塁がいた。
そしたら何故か力が抜けてしまった。
二人はまた、白銀の地を歩いて行った。
”作られた道を歩くのではなく 僕等が踏む土こそが道となる
今はただその足跡を一つずつ 増やしていくしかないんだ
限られた時間を追うのではなく 僕等が持つ意思が時間と変わる
今はただその想いを一つずつ 唄い上げるしかないんだ”
雪が積もった日曜日、報道部の活動開始は ちょっと遅れた。
FIN*
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