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 忍者アカデミーの卒業試験も間近に迫った時の事。


 授業中に行われた抜き打ちペーパーテストを回収して、職員室へ向かう日向ヒナタの姿があった。
両手でテストの解答用紙を抱えて、せかせかと早歩き。
 
 彼女が早歩きをしている後を、たまたま通りかかった犬塚キバ。
一生懸命運ぶヒナタの後ろ姿を見て、声をかけようとするが、声が出ない。
何しろ廊下は長いのだ。それに、いくら大変そうだからと言っても、手伝おうか?等と優しく言える訳がない。
……どうせ「しょうがないから手伝ってやる」とか「手伝ってやっても良い」等と、彼女に偉そうな口を叩いてしまうに違いない。
そうなる事が解かっていたから、あえて声をかけなかった。

 そうして何も出来ないまま、前に進んでいくヒナタをボ〜っと眺めていた。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
ヒナタが足を止めた。・・・ついでに密かに着いて来ていたキバも。
廊下には、いつからこうなっていたのやら、床に落ちてピチピチと跳ねている金魚がいる。

 …?いつから…この廊下で金魚なんて飼ってたんだ?
というか、何で落ちてるんだよ?自分で跳ねたのか?落とされたのか??
 キバが不思議がっている最中に、ヒナタはもう行動に出ていた。

 ヒナタは、テストの解答用紙を床にバサッと置き、
金魚を手で掬い上げようとした。
でも金魚は動き回るので思う様に掬えない。
「ど、ど、どうしよう………;」
それでも頑張る(ねばる?)ヒナタの周りでは、
テストの解答用紙がナダレを起こしていた。――でもヒナタはお構いなし。

「動いちゃ…駄目…。」
言っても無駄な事は解かっていたけれど。
「動いたら…金魚鉢に戻れなくなっちゃう……から」

 キバはそれを見てイライラしていた。
ヒナタがなかなか金魚を掬い上げる事に成功しない事に?
あんなにもヒナタを混乱させる金魚に?
…いや、それとも全ての原因 金魚を落とした人物に?(自分で落ちたかもしれないが…)


―――――いや、全部違う。
じゃあ何にイラついてるかって?
……こんな時何もしないで見ている自分に、だ。

足が動かない。声が出せない。

こんな自分はもう嫌だった。最初の一歩、最初の一声が出てこないのだから。
勇気を振り絞って、キバは走った。勿論 前へ 前へ。

 ヒナタが足音を聞き取ってふり返る。
「……!!キ、キバ君……?!」
「ったく…しょうがねーな!!手伝ってやる!」
最初に予想した言葉が出てきた。でもヒナタは嫌な顔1つしない。
「あ……有難う……」
やはり金魚はピチピチと跳ねて暴れた。
「あ〜っ!クソ…!!」
キバも、さっきのヒナタと同様に苦労している。
「何か……使えるもんは無いのかよ?!・・・・・・・・・・・・あ。」
「どうしたの…?キバ…君…」

 それは すごく身近に転がっていたモノだった。

 一枚の解答用紙。

 誰のかは解からないけれど。

キバはそれを手にとって、ヒナタに金魚鉢を手に持つ様に言った。
解答用紙を広げて、キバは金魚が跳ねた瞬間、それを金魚の体の下に滑り込ませた。
金魚は解答用紙の上でもピチピチと跳ねた。
そしてキバは、次に金魚が跳ねた瞬間、ヒナタの持つ金魚鉢に、金魚を投げ入れた。

…少し最後が乱暴だったが、金魚は水の中でスイスイと泳ぎ始めた。

 それをじ〜っと眺めていたヒナタと、そのヒナタの顔を見ていたキバ。
良く考えたら こんなに簡単に入れられる事に気付いて、
二人はお互いの目を見つめあって、笑い始めた。

 ヒナタはクスクスと。キバはゲラゲラと。

 そして、二人の笑い声がおさまった時、ヒナタが口を開いた。
「キバ君、あ…ありがとう…。キバ君が来てくれて…嬉しかった…」
礼を言われてキバは、自分の頬が熱くなってきたのを感じ、下を向いた。
「………お前が【アリガトウ】って言う事じゃ…ないだろう……」
「で…でも、とにかく…嬉かった…から」
「〜…で、お前、コレ…どうするんだ?」
 焦りながら一生懸命話を反らそうとするキバが指を指したのは、モトは出席順になっていたのに、バラバラになった解答用紙。
オマケに自分が使って、びしょびしょになってしまい、誰のものかも判らなくなってしまったモノも一枚。
「あ……;」
「て、手伝ってやっても良いぞ…?」
また予想通りの嫌な言葉が出てきた。だがやっぱりヒナタは嬉しそうな顔をして言う。
「ありがとう、キバ君」
「〜……い、いや、この一枚に免じて、だ!!………何だよ?!」
笑みを浮かべているヒナタを見て、一気に恥かしさがやって来たキバ。
また下を向いて、解答用紙を拾い集め出した。そして、キバが拾った解答用紙を、ヒナタが出席順に並びかえしていく。


 そしてヒナタがもう一度礼を言って、その場を去った後、キバは一人残って金魚を眺めていた。
金魚鉢の中は、砂利は沢山あるものの、水草が一本も無く、コケも沢山付いていた。勿論呼吸は水面から。
「こんなトコに住むの、嫌にならねえか?」
もしかしてコイツ、脱出を試みて失敗したんじゃ?…という考えも浮かんできた。
キバは黙って考えて、しばらくしてから教室に帰っていった。




2日後。
職員室につながる廊下を通ったヒナタは、キバの姿を見つけた。
彼が持つビニール袋からは、良く育った水草が数本見え隠れしている。丁度ソレを入れようとしていた所らしい。
「あ!」
ヒナタが声をあげたのに気付き、振り返ったキバは、タイミングの悪そうな顔をして、すぐさま顔を赤くした。
「こ…これは…その……!も、貰ったんだ!!」
滑り出す大嘘。
「ふふ………キバ君って……優しいんだね……。」
「………!!!バッ……!!!・・・・・・・・・・」

 キバは金魚鉢の方を向き、ヒナタの顔を伺うように水草をササッと入れ、
そのまま走り去ってしまった。



                  やっと最初の一歩を踏み出せた。
                  やっとヒナタの手助け(?)をすることができた。
         ――――キバは、赤い顔で走り去っていった。

ーその後ー
「先生!!イルカ先生!!俺の答案帰ってこないってばよー!…ま、帰ってこないほうがいいけど…。」
「あ〜、そう言えば、びしょびしょになって名前も答えも読み取れない答案があったんだが、
  あれ、お前のだったのか…。黒板に貼ってあるぞ」
「はあー??!」
ナルトが黒板の方に走っていくのを、キバとヒナタは、何とも言えない顔をして眺めていたそうだ。
…案の定、ナルトのテストは、点数がつかなかった。




+*+*うお〜!!キバヒナッ★+*+*
キバがナルト男子キャラでは1番好きで、ヒナタちゃんがオンナノコキャラでは1番好きな私は、
このカップル大好きなんですよ★もう!!
ナルト好きカップリング1位!!
同盟とか入りまくってるしね。
思えば、キバが密かにストーキング??あれあれ…;って感じですな。
とにかく、元気少年→おとなし少女のカップル☆最高ですともー!
キバの片思いがツライです〜。キバに幸あれ!


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